バンコクのスクンビットで新しいホテルを探すと、ここ数年で候補がぐっと増えました。エムスフィアやターミナル21に近いソイ29に2025年9月に開業した「KROMO Bangkok, Curio Collection by Hilton」も、そのひとつ。ヒルトンの中でも個性派を集めたキュリオ・コレクションがタイに初上陸したホテルで、大和ハウス工業が開発に関わったことでも少し話題になりました。
2026年5月、1泊してきました。ヒルトン・オナーズのポイント宿泊で、一番安いカテゴリーを予約していたところ、前日にアプリの通知でキング・KROMOスイートへのアップグレードが決まっていました。結論から言うと、内装のクオリティも設備もスタッフの対応も、価格以上でした。開業してまだ半年ちょっとのホテルですが、そう感じさせない仕上がりです。実際の滞在をまとめていきます。
KROMO Bangkok 施設概要
| ホテル名 | クローモ・バンコク・キュリオ・コレクションbyヒルトン (KROMO Bangkok, Curio Collection by Hilton) |
|---|---|
| 所在地 | Soi 29, Sukhumvit Road, Klongton Nua, Wattana, Bangkok, Thailand |
| カテゴリ | キュリオ・コレクション by ヒルトン(ポイント宿泊 40,000pt/泊) |
| アクセス | BTSプロンポン駅・アソーク駅からいずれも徒歩圏内 |
| 客室数 | 306室(地上28階建て) |
| 予約経路・ステータス | 公式サイト(ポイント宿泊・ボトムカテゴリー)/ヒルトン・オナーズ ダイヤモンド |
| 宿泊時期 | 2026年5月(1泊) |
立地:プロンポンとアソークの中間、買い物にも食事にも困らない

建物はスクンビット・ソイ29の入り口あたり。BTSプロンポン駅とアソーク駅のちょうど中間で、どちらの駅からも歩いて向かえます。周りにはショッピングモールから飲食店、マッサージ店まで一通り揃っているので、夜遅くにチェックインしても食事に困ることはまずありません。

エントランス脇の柱に「CURIO COLLECTION by Hilton」のプレート。看板だけ見ると通り過ぎてしまいそうなくらい控えめです。同じソイ29には他にもヒルトン系列のホテルがありますが、そちらは泊まったことがないので優劣の比較はできません。ただ、キュリオ・コレクションはいわゆる定番のヒルトンとは違って、一軒ごとの個性を前面に出すブランド。最初から狙いどころの違うホテルだと考えたほうがよさそうです。
ソイの中は夜も人通りがあって、歩いていて不安になることはありませんでした。ひとつ注意点を挙げるなら、Grabを呼ぶときは大通りの渋滞次第で到着まで読みにくいこと。特に帰りの空港移動は、余裕を持ったスケジュールをおすすめします。周辺にはエムスフィアやエムクオーティエといった大型モールも徒歩圏なので、買い物と観光の合間に部屋へ戻って休むような使い方にも向いています。
予約:ボトム予約が前日にキング・KROMOスイートへ
予約は一番安いカテゴリーの客室で、1泊40,000ポイント。あとから当日の有償レートを調べたら17,000バーツ前後だったので、ポイントの使い方としてはかなり効率のいい部類です。宿泊の前日、Hiltonアプリの通知でキング・KROMOスイートへのアップグレードが確定していることに気づきました。事前にわかっていると、当日の楽しみが増えるぶん得した気分も大きくなります。全306室のうち17室しかない、64平米のカテゴリーです。もともとの予約部屋は見ていないので比較はできませんが、40,000ポイントでここまで広い部屋に着地できたのは素直にラッキーでした。
客室(キング・KROMOスイート):64平米にピンクを効かせた遊び心

ドアを開けてすぐ、玄関の先に広がるのがリビングスペース。ソファと一人掛けのアームチェア、大理石調のテーブル、そして寝室とは別の壁掛けテレビ。全体をピンクがかった落ち着いたトーンでまとめていて、派手さより上品さを狙った配色です。64平米という数字以上にゆとりを感じるのは、リビングと寝室がきちんと分かれていて、それぞれに役割があるからだと思います。

リビングの一角にはネスプレッソマシンとケトル、グラス類を備えたウェットバー。バスルームとは別に水回りがもうひとつあるのは、スイートならではの贅沢なつくりです。

ネスプレッソのカプセルは、バンコクの焙煎所RISE COFFEEによるタイ産コーヒー。カプセルの中身まで土地のものを使っているあたり、細かいですが好感が持てます。

収納棚を開けると、ウォッカやジン、ウイスキーにシェイカー、シャンパングラスまで。カクテルを一杯作るくらいの道具は一通り揃っています。

別の棚には小型冷蔵庫。ソフトドリンクやビールが冷えています。ミネラルウォーターが250mlで80バーツ、ビールが330mlで110バーツからと、価格は客室のメニューブックに載っていました。

チェックイン時のウェルカムアメニティは、フルーツの盛り合わせと焼き菓子、ポットのお茶。りんごとオレンジ、マドレーヌのような焼き菓子が4個ほど添えられていました。

寝室はリビングと引き戸で緩やかに区切られています。ベッドの足元には掛け布団が折り返しでセットされ、枕は数個重ね。ヘッドボード脇の間接照明のおかげで、夜はちょうどいい暗さに落ち着きます。

ナイトスタンドにはJBLのクロック機能付きスピーカー。USBポートとコンセントもすぐそばにまとまっていて、この手の電源まわりが枕元で完結するのは地味に助かります。

クローゼットに掛かっていたのは、ピンクの柄が入ったバスローブ。タイのビジュアルアーティストが手がけたデザインで、よく見ると柄がかなり細かく描き込まれています。

クローゼットのドアには編み込みのトートバッグ。タグを見ると「Handy」というタイのハンドクラフトブランドで、リサイクル素材から作られているそう。滞在中は持ち出して使ってよく、気に入ればフロントで購入も相談できます。質感は写真で見るより実物のほうがしっかりしていて、普段使いに欲しくなるレベルでした。
バスルーム:ダブルシンクに独立バスタブ、トイレはウォシュレット付き

横並びのダブルシンク。二人で並んで身支度をしても肘がぶつかりません。鏡に照明が仕込まれていて手元が明るいのも、地味にありがたいポイントです。

バスタブとシャワーは独立していて、バスタブは楕円形の据え置き型。バンコクの日中はかなり暑いので、ゆっくり湯に浸かれるつくりは素直にうれしいところです。

アメニティはタイのウェルネスブランドHARNN。ハンド&ボディウォッシュ、シャンプー、コンディショナーが、KROMO限定の「ジャスミン&ペア」という香りで揃っています。強すぎない、ちょうどいい香り。シャワーヘッドはハンドシャワー式で、水圧も十分でした。

洗面台下の引き出しには、シャワーキャップや歯ブラシ、ヘアコームなどのキットが箱で収められています。トイレは独立した個室で、ウォシュレット付き。ただ個室とシャワーブースの境目がガラス一枚なので、そこは好みが分かれるかもしれません。

客室のメニューブックには、ミニバーの価格表のほかホテル案内やピローメニュー、ルームサービスの注文先までQRコードで集約。紙を減らしつつ必要な情報にすぐ飛べる、今どきの作りです。
朝食(Colette):ビュッフェではなくオーダー形式のブランチセット

朝食は1階のレストラン「Colette(コレット)」で。ビュッフェではなく、メニューから選んで注文するオーダー形式です。この形式がもともとの基本のようで、今回だけ特別だったわけではなさそう。真鍮や銅を使ったカウンターが目を引く、フレンチビストロ風の空間です。

メニュー名は「The Brunch Set」。ジュース、コーヒーか紅茶、フルーツ、ライトプレート、メインディッシュという構成です。ライトプレートはお粥やグラノーラ系、メインはエッグベネディクトやチャーハンなど、タイと欧米式が入り混じったラインナップでした。

中を開くと、ライトプレートはコンジー系が2種、グラノーラやオートミール、バナナブレッドまで幅広いラインナップ。メインディッシュはフルコレット(卵とソーセージ、ベーコンのセット)からエッグベネディクト、チャーハンまで揃っていて、和洋どちらの気分でも選べる構成でした。

ライトプレートは抹茶のヨーグルトボウルを選択。グラノーラとドライフルーツが敷かれていて、見た目よりずっと軽い口当たりです。

メインは「Colette Breakfast Khao Pad」。ベーコンやソーセージ入りのチャーハンに目玉焼きをのせた一皿で、味付けはしっかりめ。朝から満腹になるボリュームです。

フルーツはドラゴンフルーツやパイナップルなど南国らしい顔ぶれ。コーヒーはRISE COFFEE、紅茶はチェンマイの老舗Araksa Teaと、飲み物にも土地のブランドを使っています。スタッフの対応も丁寧で、オーダーの内容を確認しながら、こちらのペースに合わせて料理を出してくれました。開業して間もないホテルとは思えないくらい、朝食まわりのオペレーションはすでにこなれている印象です。
屋上プールとジム:夕暮れのインフィニティプールが白眉

屋上には市街を見渡すインフィニティプール。訪れたのがちょうど夕方で、オレンジ色に染まる空とプールの水面が重なりました。横長のレーンタイプで、はしゃぐというより静かに景色を眺めて過ごすタイプ。宿泊者専用なので、混雑を気にせずのんびりできます。

プールサイドには、赤いウォールアートを背にした小さなバーカウンター。ラタンのペンダントライトが吊るされ、ソファやデイベッドも点在しています。泳がずにここで過ごすだけでも十分に気持ちのいい空間です。

タオルとドリンクのステーションも、オレンジ系のタイルと編み込みの照明でしっかり作り込まれています。ロールタオルが積まれ、ディスペンサーからは冷たい水やフレーバーウォーターを注げます。

別の一角には、タオルのほかフルーツやティッシュ、紙コップまで揃った棚。備品がきちんと補充されている様子から、開業後の運営はもう安定していると感じました。

プールサイドのシャワーブースにも、壁一面に赤いイラスト。実用一辺倒ではなく、見た目の楽しさまで手を抜いていません。

ジムはプールと同じフロア。窓に向かって並ぶトレッドミルやクロストレーナーの先に市街が広がります。夕方に覗いたときは数人が使っている程度で、混雑とは無縁でした。

ケトルベルやメディシンボール、ファンクショナルトレーニング用の器具もひととおり。有酸素だけでなく筋トレまでカバーできる内容です。

ケーブルマシンをはじめ、マシンはTechnogym製。開業間もないだけあって使用感もほとんどなく、気持ちよく使えました。
滞在を終えて:1泊で切り上げるのが惜しいホテル
KROMOというホテルは、館内のどこを歩いてもタイのアートや色彩が仕込まれていて、移動そのものが少し楽しくなるように作られています。天井の装飾やカーペットの柄、バスローブのイラストまで、コンセプトの「Cabinet of Wonders(驚きのキャビネット)」が細部に効いている印象です。
今回は1泊のみでしたが、客室の完成度と価格のバランスは正直かなり良かったです。ボトム予約からキング・KROMOスイートへ上がれたこともあり、コストパフォーマンスの面でも文句のない滞在になりました。朝食を含めてスタッフの対応も丁寧で、開業して間もないホテルにありがちなぎこちなさをほとんど感じさせませんでした。
バンコクで定番以外の選択肢も探しているなら、候補に入れて損のないホテルです。次にもう少し長く滞在できるなら、今回は眺めるだけだった屋上プールで、実際に泳ぐ時間まで確保したいところ。1泊40,000ポイント、有償なら17,000バーツの部屋にスイートアップグレードまで乗ったことを考えると、ポイントの使い道としても満足度は高めでした。
ヒルトン系列の新しいホテルという点では、ダナンのTru by Hilton ダナンの宿泊記も開業間もない清潔感が印象的でした。バンコク以外の滞在先を検討している方は、あわせてどうぞ。ほかの宿泊記はClassy Milesのトップページからご覧いただけます。


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