【宿泊記】ヒルトン・アブダビ・ヤス・アイランド|F1シーズン前に140,000ポイント2泊、ダイヤモンド特典でスイートへ

アブダビへ行くなら、どこに泊まるか。

2023年11月の渡航を計画する段階で、この問いにかなりの時間を使いました。コーニッシュ沿いには老舗の高級ホテルが立ち並んでいますが、今回はヤス・アイランドを拠点にしたかったため、選択肢は自然と絞られていきました。

タイミングも少し複雑でした。2023年11月1日にアブダビ国際空港の新ターミナル(ザイード国際空港 ターミナルA)が開業したばかりでしたが、航空会社の移行スケジュールの関係で、私が搭乗した便は往復ともに旧ターミナル(Terminal 1)を利用することになりました。中東特有の雑然とした活気が漂う旧ターミナルの空気を吸い込むのも、これが最後かもしれない。そんなことを思いながら出発ロビーを歩いた記憶があります。

そうした経緯を経てたどり着いたのが、ヤス・ベイ・ウォーターフロントに位置するヒルトン・アブダビ・ヤス・アイランド(Hilton Abu Dhabi Yas Island)です。ヒルトン・オナーズのポイントを使った2泊で、使用ポイントは計140,000ポイント(1泊あたり70,000ポイント)。F1アブダビグランプリを2週間後に控えた観光シーズンのピーク時にもかかわらず、ダイヤモンド会員特典でスイートルームへのアップグレードが実現しました。

結論から言うと、立地の便利さとダイヤモンド特典の組み合わせで、満足度の高い滞在になりました。ただ、テーマパーク特典の注意点など、予約前に知っておくべき部分もあります。そのあたりも含めて、実際の体験をまとめます。

ヒルトン・アブダビ・ヤス・アイランド 施設概要

ホテル名 ヒルトン・アブダビ・ヤス・アイランド(Hilton Abu Dhabi Yas Island)
所在地 Yas Bay Waterfront, Yas Island, Abu Dhabi, UAE
カテゴリ Hilton Hotels & Resorts(ポイント宿泊:70,000ポイント/泊)
アクセス アブダビ国際空港(旧Terminal 1)からUberで約12分・AED 51(約2,000円)
予約経路・ステータス ヒルトン・オナーズポイント宿泊 / ダイヤモンド会員
宿泊時期 2023年11月(2泊)

目次

アクセスと立地:空港から12分、ただしアブダビ市街へは別途30分

アブダビ国際空港の旧ターミナルを出て、すぐにUberを呼びました。事前の情報収集では「30分以上かかる」という記述も見かけていたため、乗車してみて少し驚きました。ヤス・ベイ・ウォーターフロントまで、走行時間は12分です。

Uberアプリの経路画面

旧ターミナルからヤス・ベイまでの経路。地図で見ると空港とヤス・アイランドがほぼ隣接していることがわかります。

Uberの領収書画面

確定料金はAED 51.00(空港使用料込み)。深夜乗車でも割増なし、日本円換算で約2,000円でした。

深夜到着でも移動のストレスが少ない点は大きなメリットです。一方で、コーニッシュやアル・マリーヤ島といったアブダビ市街の観光スポットへは、ここから車で20〜30分ほどかかります。ヤス・ベイ・ウォーターフロントにはレストランや商業施設がある程度整備されていますが、選択肢の幅という点では市内のホテルとは差があります。空港との往来が多いビジネス目的の滞在や、ヤス・アイランドのテーマパーク訪問が主目的の旅なら立地は最適ですが、「アブダビの街を歩き回る旅」がしたい場合は、ここを拠点にする前提でスケジュールを組む必要があります。

チェックイン:満室に近い夜のアップグレード

ホテルへの到着は深夜でした。エントランスをくぐると、高い天井とモダンなアートワークが印象的なロビーに、欧米からの旅行者が多く詰めかけています。11月のアブダビは観光シーズンで、ホテル全体が賑わっていました。

ホテルロビーの胡蝶蘭

ロビー中央に置かれた胡蝶蘭。深夜にもかかわらずフロント周辺は来客で活気がありました。

予約していたのは、ヒルトン・オナーズポイントを使った「キング・ゲストルーム(スタンダードルーム)」の2泊で、使用ポイントは計140,000ポイントです。ポイント宿泊なので、アップグレードについては正直あまり期待していませんでした。ダイヤモンド会員の規定として「空き状況に応じたアップグレード」はありますが、混雑した時期にどこまで機能するか、という話です。

チェックイン中、しばらくキーボードを叩いていた担当スタッフが手を止めて告げました。「本日は満室に近い状況ですが、キング・ワンベッドルーム・スイートをご用意しました」。スタンダードルームから一段階ではなく、直接スイートへの変更です。

アップグレード後のヒルトン・オナーズアプリの予約確認画面

アップグレード後の予約確認画面。スタンダードからスイートへの変更が記録されています。

手続き全体にかかった時間は15分程度。深夜の混雑した状況でも丁寧な対応で、案内の仕方も過剰ではなく、ちょうど良い温度感でした。こういうチェックインの体験が、滞在全体の印象を左右する部分は大きいと思います。深夜到着という条件を踏まえると、スタッフの対応は十分に水準以上でした。

有償の相場感についても参考まで触れておくと、同時期のスタンダードルームは1泊3万〜5万円前後、スイートは10万円を超えることも珍しくありません(調査時点・時期によって変動)。140,000ポイントの消費をどう評価するかは保有状況次第ですが、アップグレード込みで考えれば費用対効果は悪くないと判断できます。

キング・ワンベッドルーム・スイート:独立した2室の使い勝手

リビングルーム

指定された高層階へ向かい、ドアを開けると長いエントランスホールがあります。その先に広がるリビングルームは、パープルのアクセントチェアとグレーのソファを中心としたモダンな内装です。

スイートのリビングルーム全景

リビングルームの全景。ベッドルームとはドアで仕切られており、独立性は高い。

スタンダードルームとスイートの一番の違いは、リビングとベッドルームが完全に独立しているかどうかです。この部屋は仕切りではなくドアで区切られていて、それぞれの空間として使えます。ソファは大人3〜4人が座れるサイズで、窓の外にはヤス・ベイの水面が広がります。

夕暮れ時のリビングルーム

夕暮れ時のリビング。間接照明に切り替えると雰囲気が大きく変わります。

テーブルにはダイヤモンド会員へのウェルカムギフトとして、ヒルトンのロゴ入りボックスが置かれていました。中身はプラリネチョコレートで、深夜チェックイン後の小腹にちょうど良い量でした。

ウェルカムギフトのボックス

ヒルトンのロゴ入りギフトボックス。ダイヤモンド会員向けのウェルカムギフトとして用意されていました。

ボックスの中身のチョコレート

数種類のプラリネチョコレート。濃厚な甘さで、疲れた体に染みました。

一点だけ補足しておくと、「70㎡超」という数字から想像するほどの余裕感とは、実際に入ると少し違う感覚があるかもしれません。リビング・ベッドルーム・バスルームの合算なので、各スペース単体は「十分広い」という感覚です。数字で期待値を上げすぎると、やや拍子抜けするかもしれません。

ベッドルーム

マスターベッドルームにはキングサイズのベッドがあり、足元にはカウチソファが置かれています。床から天井まで続く大きな窓から直接バルコニーへ出ることも可能です。遮光カーテンの遮光性は高く、深夜チェックイン後の疲労を翌朝まで引きずる心配はありませんでした。

ベッドルーム全景

足元のカウチソファは荷物置きとして重宝しました。バルコニーへ直接出られる点も使い勝手が良い。

夕暮れ時に一番映えるバスルーム

今回の滞在でもっとも満足度が高かったのが、このバスルームかもしれません。黒い石目調のタイルと木材を組み合わせたデザインで、全体としての完成度が高い。シャワーブースとバスタブは独立しており、洗面台はダブルシンクです。

バスルーム全景

独立したシャワーブースとバスタブ。広さは同価格帯の中でも水準以上です。

夕暮れ時には窓から差し込む光が大きな鏡に反射し、バスルーム全体が橙色に染まります。偶然そのタイミングで入ったのですが、思わず立ち止まるような光景でした。

夕暮れ時のダブルシンク洗面台

ダブルシンクの洗面台。夕日が鏡に反射して、照明を点けなくても十分な明るさがありました。

ただし、ウォシュレット(温水洗浄便座)は付いていません。中東のホテルでは標準的な仕様ですが、日本のホテルに慣れていると気になる方もいると思うので書いておきます。アメニティはヒルトン標準のラインナップで、特筆するほどのブランドではありませんでした。

バルコニーからのヤス・ベイとサンセット

ベッドルームの窓を開けるとバルコニーに出られ、眼下にはホテルのプールと、その先にヤス・ベイが広がります。

バルコニーからのヤス・ベイの眺望

バルコニーから見たヤス・ベイ。対岸にはアブダビ本土のビル群が見え、スケール感のある開放的なビューです。

夕方になると空と海がオレンジ色に染まります。11月のアブダビは気温も穏やかで、バルコニーに出て長時間過ごせる時期です。

ヤス・ベイのサンセット

11月のアブダビのサンセット。17時台から空の色が変わり始め、30分ほどかけてゆっくり暗くなります。

プールに近い側の部屋だったため、日中は水音やゲストの声が聞こえることがありました。静けさを優先する場合は、チェックイン時に「プールから離れた側の部屋」をリクエストするのがよいかもしれません。

プール:昼と夜で顔が変わる

ホテルの中庭に位置する屋外プールは、ヤシの木と白い建物に囲まれた中東らしいリゾート空間です。プールサイドには「LIFE IS COOL IN THE POOL」と書かれたサーフボード型のフォトスポットや、子ども向けの噴水エリアもあり、ファミリー層の姿が目立ちました。

ヤシの木に囲まれた屋外プール

日中のプール。ホテルの白い外壁とヤシの木のコントラストは、典型的な中東リゾートの景観です。

プールサイドのサーフボード型フォトスポット

「LIFE IS COOL IN THE POOL」のサーフボード看板。宿泊者の記念撮影スポットになっています。

子ども向け噴水エリア

子ども向けの噴水エリア。午前中は特に賑わっていました。

夜はプール全体がブルーにライトアップされ、昼間とは別の空間になります。水面にホテルの灯りが映り込む光景は、夕食後に少し立ち寄る価値があります。プールバーでドリンクを注文しながら夜風に当たるのも、ヤス・アイランドの夜の過ごし方のひとつでしょう。

ライトアップされた夜のプール

ライトアップされた夜のプール。ナイトスイムを楽しむゲストの姿もありました。

エグゼクティブラウンジ(7階):2泊目の朝食はこちらで

7階のエグゼクティブラウンジには、ダイヤモンド会員として無料でアクセスできます。チェックイン時に受け取った案内状には、朝食(7:00〜11:00)、アフタヌーンティー(15:00〜17:00)、ハッピーアワー(18:00〜20:00)の3つの時間帯が記載されていました。今回は都合でハッピーアワーには参加できなかったため、2日目の朝食時間帯に利用しました。

ラウンジ案内状

チェックイン時に受け取ったラウンジ案内。朝食、アフタヌーンティー、ハッピーアワーの3枠で構成されています。

朝の時間帯のラウンジは、鮮やかなブルーのソファを使ったシーティングエリアを中心に、落ち着いた大人の空間にまとめられていました。1日目に使ったGraphosとは対照的な静けさがあり、ゆっくりとコーヒーを飲みながら過ごすには向いている空間です。

ラウンジのブルーソファのシーティングエリア

朝食時間帯のシーティングエリア。ブルーのソファが特徴的で、窓側の席はヤス・ベイ方向を向いています。

ラウンジ内の様子

朝のラウンジ内。混雑もなく、静かな時間が流れていました。

ひとりでラウンジ内の写真を撮っていると、スタッフが近づいてきて「写真をお撮りしましょうか」と声をかけてくれました。こちらから頼んだわけではなく、自然なタイミングでの申し出です。こういう小さな気遣いが、ホテルの接客レベルを一番正直に示してくれると思っています。

ラウンジの朝食フードカウンター

朝食時のフードカウンター。品数はGraphosほどではありませんが、静かな空間でゆっくりしたい朝には向いています。

Graphos Social Kitchen:1泊目の朝食はテラス席とライブキッチン

1泊目の朝食は1階のメインダイニング「Graphos Social Kitchen」でいただきました。高い天井とインダストリアルな内装が特徴的な、広いフードホールです。

Graphos Social Kitchenの店内

Graphos Social Kitchen。吹き抜けの天井と複数のライブキッチンステーションが特徴です。

ライブキッチンはエッグステーション、アラビック料理、ベーカリーなど複数のステーションに分かれており、シェフが目の前で調理する形式です。品数は多く、フルーツ、チーズ、ハム類の充実度はホテル朝食として十分な水準でした。

ライブキッチンのカウンター

チェック柄タイルが特徴的なライブキッチンカウンター。エッグステーションとしても機能しています。

調理ステーション

並んで料理するシェフたち。混雑時は各ステーションが一斉に動いて活気があります。

フルーツコーナー

フルーツコーナーは種類が豊富。スイカ、マンゴー、いちごなどが並んでいました。

ベーカリーコーナー

焼き立てのパンが並ぶベーカリーコーナー。クロワッサンとブリオッシュの出来が良かったです。

天気の良い日はテラス席でプールを眺めながらコーヒーをいただきました。11月のアブダビはこういう時間のためにある、と感じる朝でした。

テラス席でのコーヒー

テラス席からプールを眺めながらのコーヒー。気温は25度前後で、長居したくなる朝でした。

朝食の混雑は8:30〜10:00頃がピークで、観光シーズン中は席確保に少し時間がかかることがあります。7:00〜8:00の時間帯だとライブキッチンにも並ばずにアクセスできました。2泊目はラウンジでゆっくりという使い分けになりましたが、Graphosの規模感と活気はラウンジとはまた別の体験です。どちらか一方に絞る必要はなく、2泊あれば両方を試せます。

テーマパーク特典:対象外になるケースが多い

このホテルの訴求点として「ヤス・アイランドのテーマパークチケット付き」という情報が目に入ることがあります。フェラーリ・ワールド・アブダビやシーワールド・アブダビなど、チケット1枚あたり1万円前後するパーク群が対象です。

ただし、ホテルの公式規定には「すべての部屋タイプおよび料金プランに適用されるわけではない(Offer is not applicable for all room types/rate plans.)」と明記されています。ポイント宿泊や割引レートのプランは対象外となるケースが多く、今回の滞在でもこの特典は付与されませんでした。

テーマパーク訪問を計画している場合は、予約時にプランの特典内容を確認してから進めることをすすめます。「チケット付き」という情報だけを見て宿泊を決めると、想定外の出費になることがあります。対象プランで予約できれば実質コストは大きく下がるため、使い方次第で費用対効果は変わってきます。

ヤス・アイランドの他ホテルとの位置づけ

ヤス・アイランド周辺には複数のホテルが立地しており、「W Abu Dhabi – Yas Island」(マリオット系)や「Crowne Plaza Abu Dhabi – Yas Island」なども選択肢に挙がります。私はこれらに実際に宿泊したことがないため、以下は公開情報をもとにした推測です。いずれもヤス・ベイから徒歩圏内に位置しており、立地の近さという点ではほぼ同条件と考えていいと思います。

W Abu Dhabiはフェラーリ・ワールドに隣接する立地で、デザイン重視の旅行者向けという印象があります。価格帯はヒルトンより高めで、マリオット・ボンヴォイのポイントで宿泊する場合は上位カテゴリーに相当するようです。

ヒルトンとマリオットの両方のステータスを持つ立場から言うと、今回の体験をひとつの基準として、次の選択肢を考えていくつもりです。ヤス・アイランドはまだ開発が続いているエリアで、ホテルの選択肢も今後増えていく可能性があります。現時点では、ダイヤモンド会員にとってはこのヒルトンが使いやすい選択肢だと感じています。マリオット系の宿泊記はClassy Milesのトップページでまとめています。

滞在を終えて:2泊で見えたダイヤモンド特典の現実

スタンダードルームの予約から始まり、スイートで2泊した旅でした。アップグレードが実現するかどうかは毎回保証があるわけではなく、今回たまたま良い結果が出た、というのが正直なところです。それでも、繁忙期の満室に近い状況でスタンダードから直接スイートへ変更されたという事実は、ステータス維持のモチベーションになります。

今回の滞在で印象に残っているのは、ラウンジでスタッフが自然に写真を申し出てくれたあの場面です。深夜のチェックイン対応も含めて、スタッフの仕事ぶりは一貫して丁寧でした。このホテルは2020年のオープンで比較的新しく、施設のコンディションも良好です。ヤス・アイランドはまだ開発途上の部分もあり、今後選択肢も増えていくと思いますが、空港至近という立地の強さと、ダイヤモンド特典が機能しやすい環境は当分変わらないでしょう。アブダビに複数泊するなら、1泊はここに組み込む価値があると思っています。

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この記事を書いた人

都内在住 / 旅のストラテジスト。
東京を拠点に、マイルとステータスを駆使して「価格以上の感動」があるラグジュアリーな旅を追求する会社員トラベラー。
週末ステイから海外リゾートまで、大人のためのスマートな旅を提案します。
【保有資格】ヒルトンダイヤ / マリオットプラチナ / JGC / SFC / デルタゴールド

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